研究統括リーダー 須藤慶太
2023年度の研究開発を振り返り、2024年度に取り組みたい研究テーマや開発目標などをご紹介します。
ユニバーサルクオリティの新核酸素材「coreF-Revo.1」誕生
2023年度は実りの多い年でした。これまでに培ってきた機能性研究を活かして独自のRNA素材「FCore-R2023」の開発に成功。独自開発のDNA素材「FCore-2021」と合わせて、ユニバーサルクオリティの新核酸素材「coreF-Revo.1」を誕生させ、皆さまにお届けすることができました。皆さまに好評をいただけたことは、遺伝子・細胞レベルからの健康づくりを目指して研究している私たちにとって大きな喜びです。
学会や論文で核酸栄養の研究成果を発表
また、大学との共同研究でも成果を上げることができました。近畿大学の財満信宏教授らとの「核酸・核酸素材摂取による血管及び皮膚に対する影響」をテーマにした研究成果と、静岡県立大学の海野けい子客員准教授らとの「社会心理的ストレスにおける核酸・核酸素材摂取の影響」をテーマにした研究成果が査読付きの科学雑誌に掲載されました。この他にも学会発表を行っており、岐阜大学の長岡利シニア教授との共同研究の内容を含んだ学会発表は、日本農芸化学会功績賞を受賞しました。我々との共同研究成果が評価されたと考えています。
核酸が伴侶動物の健康に貢献する可能性を紹介
さらに第166回日本獣医学会においては、東京農工大学田中あかね教授を座長に、「優れた機能性をもつサケ白子・健康増進につながる最新研究―健康機能性成分としての DNA とプロタミン―」というタイトルでランチョンセミナーを行いました。金沢大学加藤将夫教授や岐阜大学長岡利シニア教授、私も講演させていただきました。核酸、及び核酸素材が、伴侶動物の健康にも貢献する可能性について、獣医の方々にも知っていただき、興味を持っていただく良い機会になったと思います。
研究成果を知的財産として守る特許
研究で生み出された成果を知的財産として保護するため、特許取得にも力を入れています。2023年中には「トリペプチドRPRの抗肥満効果」、「トリヌクレオチドCCCの神経幹細胞増殖促進効果」、「DNAの毛細血管新生効果」に関わる3件の特許を取得しました。
人生に健康と輝きをもたらす新素材をめざして
2024年度も最新の知見や研究成果を生かした素材開発を進めてまいります。研究室には新たに核酸の絶対定量解析を可能にするデジタルPCRを導入しました。細胞内には、変性タンパク質などをリサイクルするオートファジーと呼ばれるシステムや、核酸を修復する酵素があります。これらのシステムと核酸素材の関係にも迫るべく、研究員も増員し、拡充した研究体制の中で研究を進めてまいります。こうした取り組みが皆さまの人生に健康と輝きをもたらす新素材の開発につながると考えています。
核酸栄養の機能性研究を推進
オープンイノベーションをコンセプトに大学との共同研究を多数行っています。今年度は新たな研究室とも共同研究を始める予定です。また、共同研究の成果を論文化し発表していくとともに、新しい試みとして、核酸の機能性研究に携わっていただいている先生方との意見交換の場を設けることにも取り組んでいきたいと考えています。2024年4月には、新たに岐阜大学に「フォーデイズ核酸・ペプチド・タンパク質共同研究講座」を開設しました。これまでにも東京大学に寄付講座、東京農工大学に共同研究講座を開設しており、これで3講座目になります。自社研究はもちろん、それぞれの研究機関と効果的に連携し核酸栄養の知見を高めていくことも課題です。新たな展開にご期待ください。