次世代核酸ラボFD須藤統括リーダー、同藤田研究員、近畿大学財満信宏教授らの共著論文が、オンライン科学雑誌「Pharma Nutrition」に2023年10月2日付で掲載されました。この論文は「核酸・核酸素材摂取による血管及び皮膚に対する影響」というテーマで、近畿大学の財満信宏先生と進めている共同研究の内容をまとめたものです。
論文タイトル | Nucleic acids and collagen can attenuate ovariectomy-induced degeneration of fibers in the abdominal aortic wall of female rat (核酸とコラーゲンは、雌ラットにおける卵巣摘出による腹部大動脈壁の線維変性を軽減できる) |
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論文概要 | 血管変性疾患には性差があり、男性が圧倒的に多いが高齢になるにつれてその差は縮まります。これは閉経が女性の血管変性の原因となり得ることを示しています。そこで、我々の共同研究で確立した卵巣摘出ラット(閉経モデルラット)を用いて、核酸やコラーゲンペプチドの摂取が血管変性に与える影響を調べました。その結果、閉経モデルラットに核酸やコラーゲンペプチドを含む飲料を摂取させると、血管変性が抑制されました。さらに、血管の構造体を破壊し炎症に関与する、好中球エラスターゼの増加も抑制されました。好中球エラスターゼの増加は血管の弾力低下につながります。したがって、核酸やコラーゲンペプチドの摂取は、閉経に伴う女性の血管老化を抑制する可能性を当論文では示唆しています。 |
著者 | Mayo Higashihara, Hirona Kugo, Tomomi Nakamura, Tomoko Sumi, Daisuke Shimizu, Keisuke Kiriyama, Mica Fujita, Keita Sutoh, Tatsuya Moriyama, Nobuhiro Zaima |
掲載論文は、下記のリンクより閲覧できます。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2213434423000324