オンライン科学雑誌「Biology(バイオロジー)」に論文が掲載されました

次世代核酸ラボFD須藤統括リーダー、同藤田研究員、静岡県立大学海野けい子客員准教授らの共著論文が、スイスのMDPI(Multidisciplinary Digital Publishing Institute)が発行するオンライン科学雑誌「Biology(バイオロジー)」に2023年7月10日付で掲載されました。社会心理的ストレスにおける核酸・核酸素材摂取の影響について、静岡県立大学と共同研究を進めてまいりましたが、当論文では、DNA-Naを摂取することによってマウスの社会心理的ストレスが軽減される可能性が報告されました。

論文タイトル Stress Reduction Potential in Mice Ingesting DNA from Salmon Milt
(サケ白子由来のDNAを摂取したマウスにおけるストレス軽減の可能性)
著者 海野けい子、田口今日子、藤田美華、須藤慶太、中村順行
論文概要 雄マウスの縄張り意識を利用したストレス負荷実験系を用いて、サケ白子由来のDNAナトリウム塩(DNA-Na)のストレス軽減効果を評価しました。1%濃度のDNA-Naを含む餌を与えたマウスではストレスが軽減されることがわかりましたが、酵母由来のRNAでは有意な効果は認められませんでした。次に、成長に伴い体が大きくなることにより慢性的な密集(過密)ストレスを受ける実験系を用いて、DNA-Naの抗ストレス効果の解明を試みました。その結果、海馬の炎症に関連する遺伝子の発現が高齢マウスで増加したのに対し、DNA-Na を与えられたグループではこれらの遺伝子の発現が抑制されました。これは、食事からの DNA 摂取が、加齢とともに増加するストレスによって引き起こされる脳の炎症を抑制する可能性があることを示唆しています。

掲載論文は、下記のリンクより閲覧できます。
https://www.mdpi.com/2079-7737/12/7/978

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