プロテイン(タンパク質)と核酸の関係

プロテイン(タンパク質)と核酸の関係

1.プロテイン(タンパク質)は人の体に欠かせない

今、プロテイン(日本語でタンパク質)がとても注目を集めています。かつてはボディビルダーのように筋肉を強化したい人が意識して摂るイメージが強かったプロテイン。近年では若い女性や高齢者など幅広く愛用されるようになり、プロテイン商品コーナーを設置するコンビニエンスストアなども増えてきました。バータイプのものや、ヨーグルト、スープ、カップ麺など、プロテインが配合されたさまざまな食品が販売されています。

店頭ではプロテイン(タンパク質)商品が花ざかり

プロテイン(タンパク質)は特に重要な栄養素です。その語源は、ギリシャ語の「プロティオス」。これは、「最も重要なもの」、「欠かせないもの」、「第一のもの」という意味で、人間が生きていくうえでタンパク質は非常に重要なものと考えられてきたことの表れともいえます。
私たちの体が何でできているかというと、水分が60%、その残りの半分はタンパク質です。水分を除いた体の構成要素の中で最も多く、タンパク質は体そのものをつくる最も重要な栄養素です。

体の構成成分

例えば、筋肉、肌や髪、骨やさまざまな臓器の構成成分はタンパク質です。筋肉は運動するときに必要なものであるイメージがありますが、心臓を動かしている「心筋」や、消化管や血管の壁の「平滑筋」など、臓器の一部でもあります。このようにタンパク質は人の体を形づくっています。

タンパク質は【身体を形づくる】

さらに、身体をめぐる血液や、身体を守る免疫細胞や抗体、消化や代謝にかかわる酵素もタンパク質で構成されています。酵素は、体の中で起る化学反応の触媒として働くもので、食べ物を消化・吸収したり、体に必要な成分やエネルギーをつくっています。生命活動になくてはならないもので、体内には約5000種以上あるといわれています。よく知られているものでは消化酵素のプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼなどがあります。
ホルモンも同様で主に体の恒常性を保つための調節をする働きをするものですが、一部のホルモンはタンパク質の構成成分であるアミノ酸で構成されています。たとえば血糖と関わるインスリン、やる気につながるドーパミン、幸福感や愛情と関係の深いオキシトシンなどです。このようにタンパク質は、私たちの体を形づくるだけではなく、体を動かすうえでも大変重要な働きをしています。

体内のタンパク質は10万種類にも及ぶといわれています。体内のあらゆる分子の構築に関与するので、これが不足すると、運動だけでなく、生命活動の維持や、心の健康にも影響が及びます。ですから、筋肉をつけたいシニアや、美容に関心の高い若い女性も、人の体には欠かせない栄養素として意識してタンパク質を摂るようになってきました。

タンパク質は【身体を動かす】

2.体を構成するタンパク質は「遺伝子」の情報を基につくられる

食べたタンパク質は体内でどのように吸収されるのでしょうか?タンパク質のままでは、大きすぎて腸管から吸収できません。タンパク質はアミノ酸がいくつも結びついた物質で、摂取したタンパク質は消化酵素によって、ペプチド(アミノ酸が少数結合したもの)からアミノ酸へと分解されて体内に吸収されます(ペプチドの状態で吸収されることもあります)。

タンパク質はアミノ酸に分解されて吸収される

自然界には数多くのアミノ酸が存在していますが、私たちの体に必要なタンパク質を構成するアミノ酸は、わずか20種類です。そのうち9種類は、人の体内で合成できないため食事で摂る必要があり、これらを「必須アミノ酸」と言います。残りの11種類は合成できますが、食べなくてよいということではありません。いずれのアミノ酸も重要な役割をすることがわかってきています。アルギニンは成長ホルモンと関わりが深いですし、チロシンはドーパミンの構成成分そのものです。

タンパク質をつくるのは20酒類のアミノ酸

私たちの体内では、吸収した20種類のアミノ酸を材料として体に必要な10万種類ものタンパク質がつくられています。それではいったい何を基にしてアミノ酸を紡いで、体に必要なタンパク質がつくられているのでしょうか?その基になるものが「遺伝子」です。

アミノ酸は「遺伝子」の情報に従って体に必要なタンパク質に再合成される

「遺伝子」には、タンパク質の部品であるアミノ酸の配列情報が書かれています。遺伝子は「タンパク質の設計図」とも例えられ、どんなタンパク質を、いつ、どこで、どれくらいつくるかといった情報が詰まっています。そして、この遺伝子の本体がDNA(デオキシリボ核酸)です。

遺伝子=アミノ酸の配列情報

3.核酸(DNA・RNA)がなければタンパク質はつくれない

私たち人間の体は約37兆個の細胞から成り立っています。そのひとつずつの細胞の中心には細胞核があります。細胞核の中は酸性を示すことから、核の中に存在している物質は一般的に「核酸」と言われています。核酸にはデオキシリボ核酸(DNA) とリボ核酸(RNA)の2つがあり、DNAは、「親から子へ、細胞から細胞へ」性質を伝える遺伝子の本体として働いており、RNAはDNAの情報に基づいてタンパク質を合成する働きを担っています。

DNAは細胞核の中にあり、染色体として折りたたまれています。A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)という4種類の塩基に糖鎖が結合したヌクレオチドが多数結合して、2本の鎖がらせんを描きながらつながった構造をしています。人間のDNAは約30億個の塩基で1セット。細胞に含まれるDNAの1セットをゲノムといいます。このDNAの中に点在する、タンパク質を合成するためのアミノ酸の配列情報を持っている部分が遺伝子です。遺伝子の塩基配列は、3つで1つのアミノ酸を示しています。たとえばAATでロイシン(アミノ酸)を示しています。この塩基配列に従ってアミノ酸がつなげられ、タンパク質がつくられます。

そして、タンパク質を合成する働きを担うのがRNA(リボ核酸)です。タンパク質が合成される過程には、「転写」と「翻訳」という主に2つの段階があります。「転写」とは、DNAにある遺伝子の塩基配列を、メッセンジャーRNA(mRNA)へコピーすることです。「翻訳」とは、遺伝子の情報がアミノ酸の情報に翻訳される過程です。mRNAへコピーされた塩基配列を基に、数種類のRNAが連携してアミノ酸をつなげてタンパク質が合成されます。

DNAとRNA、このふたつの核酸がなければタンパク質はつくることができません。そして、タンパク質がなければ人の体はつくることができません。核酸はタンパク質とともに、私たちの体にとって大変重要です。

タンパク質をつくるふたつの「核酸」

4.核酸(DNA・RNA)は生命の根源物質

核酸は細胞分裂にも不可欠です。スムーズな細胞分裂は、丈夫な細胞を維持し、全身の健康を維持するために大切です。細胞分裂では、DNAの二重らせん構造が、1本ずつにほぐれていきます。そして、ほぐれたDNAにヌクレオチド(核酸成分)が結合して、DNAの複製が起こります。ですから、DNAの複製の材料になるヌクレオチドが身体にあることが大切です。

核酸は細胞分裂にも不可欠

ヌクレオチドは体内でつくられていますが、その力は年齢とともに弱くなると考えられています。ですから、年齢を重ねるほど核酸を食べることが大切になります。
遺伝子の本体であるDNA(デオキシリボ核酸)、タンパク質の合成に働くRNA(リボ核酸)。このふたつの核酸は、生命の根幹を担う根源物質ともいえるでしょう。次世代核酸ラボFDは、核酸をしっかり食べることが健康に幅広く貢献すると考え、研究開発を進めています。

加齢とともに核酸を摂ることが大切になります

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