【プロテインと筋肉】人生100年時代の健康のカギは筋肉!プロテインと核酸摂取の重要性

【プロテインと筋肉】人生100年時代の健康のカギは筋肉!プロテインと核酸摂取の重要性

人生100年時代の健康に欠かせない「筋肉」

筋肉は立つ、歩く、持つなどの私たちの日常動作のすべてを支えています。それ以外にも姿勢の維持や体温の調節など重要な働きをしています。また最近、筋肉をよく動かすと、私たちの健康や老化に影響を与えるさまざまな生理活性物質を分泌することがわかってきました。血糖値改善、動脈硬化抑制、記憶力改善などの作用があるといわれています。

体の動力源・生理活性物質の分泌・体温を保つ熱源

筋肉量は年齢とともに減少

筋肉量は年齢とともに減少します。特に足の筋肉量は大きく減少します。筋肉量、筋力の減少によって、活動量が減少し、サルコペニア※1やロコモティブシンドローム※2、フレイル※3、さらには要介護や寝たきりにつながることが指摘されています。

いつまでも自由にそして輝ける人生を送るために、筋肉量の維持は大切な要素であることは間違いありません。

※1加齢による筋肉量の減少や筋力の低下
※2身体運動に関わる骨、筋肉、関節等器官の障害のため、立ったり歩いたりする身体機能が低下した状態
※3加齢とともに、運動機能や認知機能等心身の活力が低下し、衰えた状態

日本人の筋肉量

回帰式による20歳時と80歳時の推定筋肉量(kg)

日本人の筋肉量グラフ

プロテインは筋肉をつくる栄養素

プロテインは日本語で「タンパク質」のこと。炭水化物、脂質と並ぶ3大栄養素の一つです。タンパク質1gで約4kcalのエネルギーを生み出しますが、エネルギー源となるよりも体を形づくる筋肉、肌・髪、骨などの材料として優先的に使われます。そのため、タンパク質を積極的に食べることは筋肉量の増加につながります。

フォーデイズ食の研究会が行った調査結果を見ると、タンパク質を意識して食べることが、「筋力がつく」「体力がつく」「疲れづらくなる」といった嬉しい実感を多くの人が得ていることが分かります。

タンパク質摂取による実感効果

フォーデイズ食の研究会 タンパク質に関する意識調査2022より「タンパク質摂取による実感効果」グラフ

身体を構成するタンパク質(プロテイン)は「核酸」によってつくられる

食べたタンパク質がそのまま筋肉など身体を形づくるタンパク質になるかというと、そうではありません。タンパク質は20種類のアミノ酸がつながってできています。消化の過程でアミノ酸や、アミノ酸がいくつかつながったペプチドに分解されて吸収されます。

分解吸収されたアミノ酸は肝臓に送られ、血液にのって全身に運ばれます。そして運ばれたアミノ酸は核酸(DNA・RNA)の働きによって、身体に必要なタンパク質に再合成されます。筋肉をはじめ骨や臓器、皮膚、爪、髪、体内で働く酵素や抗体、一部のホルモンなどを構成するタンパク質の種類は約10万種類以上に及び、それぞれつながっているアミノ酸の種類や順番、数が異なります。核酸(DNA)は、そのアミノ酸の配列情報(遺伝情報)を保持し、もうひとつの核酸(RNA)がその情報を元にタンパク質を組み立てています。筋肉のタンパク質もこれらの核酸の働きによってつくられています。

図:食べたタンパク質がアミノ酸やペプチドに分解されて吸収され核酸(DNA・RNA)の働きによってタンパク質に再合成される

タンパク質(プロテイン)は不足気味

国民健康・栄養調査では、日本人の多くはタンパク質の摂取量が不足気味という結果が出ています。筋肉を構成する成分の80%を占めるタンパク質は日々分解と合成が行われています。分解された分だけ合成しないと筋肉が減少してしまいますから、筋肉の材料になるタンパク質はしっかり摂ることが必要です。

50-74歳のタンパク質不足量

身体活動レベル別にみた目標量と現状量タンパク質量

グラフ:50-74歳のタンパク質不足量(男性)
グラフ:50-74歳のタンパク質不足量(女性)

基準値:
日本人の食事摂取基準(2020年版)より、各年代・身体活動レベル別のタンパク質の目標量において範囲の中心の値を使用した。
現 状:
国民健康・栄養調査(令和元年)

タンパク質(プロテイン)をしっかり食べる

1日あたりのタンパク質の摂取目標量は日本人の食事摂取基準(2020年)に示されています。歳とともに食欲は減少しますが70代くらいまでタンパク質の必要量は減少しません。また、フレイルやサルコペニア予防には、より多くのタンパク質が必要となるため、体重1kgあたりタンパク質1g、つまり自分の体重(kg)と同じグラム数を目安にして食べましょう。例えば肉や魚を食べるとともに、乳製品をプラスすると摂りやすくなります。

タンパク質の摂取目標量

タンパク質の摂取目標量の図表

タンパク質を多く含む食べ物

[ ]内は100g中に含まれるタンパク質量

肉類

  • 鶏ささみ
    鶏ささみ
    [24.6g]
  • 豚ロース肉赤身
    豚ロース肉赤身
    [22.9g]

魚類

  • マグロ赤身""
    マグロ赤身
    [26.4g]
  • 鮭
    (しろさけ)
    [22.3g]
  • 鯖

    [20.6g]

大豆製品・卵

  • 納豆
    納豆
    [16.5g]
  • 木綿豆腐
    木綿豆腐
    [7.0g]
  • 卵

    [6.1g]

乳製品

  • 牛乳
    牛乳
    [3.3g]
  • ヨーグルト
    ヨーグルト
    [3.6g]
  • プロセスチーズ
    プロセスチーズ
    [22.7g]

日本食品標準成分表(八訂)増補2023

※病気治療中の場合は、タンパク質の摂取量について医師から指示された量を優先してください。

バランスの良い食事と運動をこころがける

タンパク質とともに身体のタンパク質合成に必要なビタミンB6、ビタミンD、カルシウム、マグネシウム、そして核酸、核酸合成に関わるビタミンB12や葉酸などもしっかり摂りましょう。そして、運動によって効果的に筋肉量を増やすことができます。運動習慣を身につけて活動量を増やしていきましょう。

食事風景

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